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2011.09.10

「続々 ・ ボクサーサウンドは捨てられるか?」

(忙しさにかまけ、すっかり忘れていたテーマの続々編)


今年(2011年)の2月号の「cartopia」に、こんなタイトルの記事が載っていた。
「エキゾーストパイプ・フロント(EPF) 
 エンジンの性格を決めるパイプのフォルム」

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それによると、
スバルの定義する排気管とは、ボディの中央を境にして
前後にわけられるという。

前部=EPF(エキゾーストパイプ・フロント)
後部=EPR(エキゾーストパイプ・リヤ)

そして興味深いことには、
エンジン側のEPFはエンジン設計部が、排ガスの浄化機能も含め担当。
EPRは、ボディ設計部が担当するという。

排気管は、車の動力性能に加え、環境性能や燃費効率を左右する重要な
パーツであり、それによって車の性格が決まるといっても過言ではない。
開発の役割が細分化されているのも頷ける。



さて、この記事が出たころ、
レガシィS401は、麦エンジニアリング製のエキゾーストマホールドに換装した。
その後は、大きなトラブルや放熱による問題も一切起きていない。
そして、仕事のストレスも吹き飛ばしてくれるような爽快感が、今でも心地よい。

今回は、そのエキマニ(レガシィ第3世代)について形状と性能を考察する。
現在では、少し古い内容となるため、記録的な意味も含め読んでいただきたい。


まずはレガシィS401の純正エキマニ。

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基本的にベースのD型と同じ鋳物であり、約12kgと当然ながら重い。
また、S401だからといって特別な加工は一切施されていない。

純正のエキマニが採用している形状では、
エンジンの排気ポート出口ですぐに2つのシリンダーからの排気をまとめている。

社外品の多くもこの純正形状を採用するが、排気ポート出口ではまとめず、
タービンへつながる直前まで配管を伸ばして、その長さを等長に近づけようとしている。


そして、社外品のFLATT製のエキマニ。
Cタイプに乗っていたときに装着していたものだ。

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このFLATT製のエキマニは初期タイプ。
後期タイプには、センター部分がフレキシブルジョイントに変更されている。

ステンレス素材(SUS304)の熱膨張により、接合(溶接)部分にクラックが
入りやすいのがその理由だ。
しかし、重量は鋳物に比べ圧倒的に軽く、コーナリング時の回頭性も向上する。

Prova、湾岸、K2Gear、5ZIGENなどから出ているエキマニも、同様にステンレス素材で
純正形状を採用しているが、配管の太さでそれぞれ特徴を出している。
管の太さはトルク曲線を変化させるため、チューニングメーカーの意図と狙いがある。

比較的細めの60パイを採用したFLATT製は、中低速を重視したいATに向いている。
パワーバンドを維持しやすいMTは、湾岸、K2Gearなどの太めの配管が気持ちよい。



次に、純正形状以外のエキマニを見ておきたい。

リアピースマフラーではおなじみのFUJITSUBO製(バンテージ有)と、
現在、私のS401に装着している麦エンジニアリング製(バンテージ無)を比較。

Dsc00018Huji3

FUJITSUBO製では、プライマリ側への配管を4-2-1の集合とし、
中低速の向上を目指しているのが伺われる。
ちなみに、4の部分が38.1mm、2以降は42.7mmと変化をつけている。

麦エンジニアリング製のエキマニでは、4-1全ての長さを等しくしながら
中央に集めているのが大きな特徴だ。
もちろん、その分重量は増してくるため、FUJITSUBO製よりも重くなっている。

Dsc00017Dsc00020

配管の取り回しを比べると、麦エンジニアリング製のものは、
シンプルではあるが、巧妙なつくりになっているのが見て取れる。

これはシンメトリカルなエンジンにふさわしい配管形状とも言えなくない。

各シリンダーからの配管を同じ長さ、すなわち等長としたことで、
排気が理想的に効率化され、特に低速域のトルク向上をもたらせている。
それにより、
排気干渉が生み出すドロドロ音は消失し、きめ細やかなサウンドへと変化する。


また、
麦エンジニアリング製のエキマニは、SUS409というステンレス素材を採用している。
この素材は熱膨張が少ないため、フレキシブルジョイント機構を不要としている。


ところで、
街角で、迫力ある音を出してはいるが、なぜか走り出しがやけに遅い車を
見かけたことはないだろうか?

リアピースマフラーをはじめとする排気系の変更は、
変化がわかりやすいだけに安易に交換してしまいがちだが、
気がつけばディチューンに陥っていることがしばしばある。

メーカーがその車に最適なトルク曲線を与えているにもかかわらず、
敢てそこに手を加えようというだから、
エキマニを含め、排気系パーツの選択は目的意識をもって行いたい。

最後に、
レガシィのエキマニの換装は、以下の点に気をつければさほど難しい作業ではない。

(ポイント1)
リジットラックはしっかりかけて固定。
純正エキマニのサビが落ちるので、眼鏡やゴーグル等があると大変便利。

(ポイント2)
O2センサーのハーネスをよじって、根元を切ってしまわないために
バッテリーの斜め下についているフックを事前に外しておく。

(ポイント3)
純正のエキマニはかなり重い。タービン側を外してからエンジン側を外す。
各ボルトを均等に緩めながら、ひとりの場合は手と足を使って受け止める。

(ポイント4)
ガスケットは排気漏れの原因となる。どんな場合でも必ず新品と交換する。
試しに使い回してみたところ、みごと排気漏れして再脱着した(笑)

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(新品のエキマニ用ガスケット)           (交換したエキマニ用ガスケット)

(ポイント5)
各ボルトは必ず焼き入れされている純正の硬質ボルトを使用する。
他のボルトでは、熱膨張を起こす恐れがある。
その危険性は、もはや書く必要はないだろう。
       
(ポイント6)
同様の理由で、各ボルトを締めるときのトルク管理をしっかり行う。
締めすぎると、熱膨張した際に溶接部に歪みを生じ、
エキマニが割れる原因となる。実は、これもかつて経験した(苦笑)


時間とヤル気のある人は、是非、挑戦して欲しい。

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2011.09.03

「京都の夏祭りに想う」

朝夕の風が涼しさを増し、ヒグラシ蝉の声が聞こえ始めた。
季節の移ろいを感じることができるのは、日本人としての幸せだろう。
今年の夏は、暑かったが短かったように感じる。

「今年は、京都の夏祭りに行きたい・・」
そう思った7月のはじめころだった。

日本各地で夏には様々な祭りがあるが、盂蘭盆会(お盆)の色彩がつよい。
そして京都といえば、「五山送り火」。
「送り火」というからには、当然「迎え火」もあり、
京都の「門火」風習のひとつといわれている。

この機会に「五山送り火」に加え、前日に行われる
花背八桝町の「花背松上げ」の火祭りも見ることにした。

旅程には、私が好きな嵯峨野の散策も盛り込んだ。
今回はいつも、時間切れとなってしまい拝観できていない「清涼寺」
中心に散策を練った。

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広大な敷地に堂々たる佇まいの「清涼寺」(嵯峨釈迦堂)。

光源氏のモデルといわれる嵯峨天皇皇子、源融の由緒がある。
また、大阪夏の陣で自刃した秀頼の首塚には驚いた。

幸運にも清涼寺の本尊、釈迦如来像をご開帳しており、
間近で拝むことができた。通常は春先のみであったように思う。

続いて、散策路にある藤原為家の墓を訪れる。
父はご存知、和歌で名をなした藤原定家。(藤原俊成ー定家ー為家)

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小さな公園の脇に、ひっそりと佇んでいるのが印象的であった。

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厭離庵は、臨済宗天龍寺派の尼寺。
普段は非公開寺であり、扉のみ開いていた。
奥には定家塚があるというが、いつか訪れてみたい。
ちなみに、あの小倉百人一首は、ここで宇都宮頼綱の要望により
藤原定家が練ったものという。

今まで知らなかったのだが、この辺りは竹林が有名がらしい。
若者に人気の散策コースというが、私の観点からはハナからずれていたようだ(笑)

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続いて、
夏の夕暮れ時の大覚寺「大沢池」に立ち寄った。
遠くで蓮の花が、みごとに咲いていた。

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そして、
いよいよこの日の本題となる松上げの祭りが行われる花背八桝町へと向かった。

夜は天狗がでそうな鞍馬山へ向かうほどに深まっていく。
鯖街道とは誰が名付けたのか、若狭湾からとれた新鮮な鯖を運んだという
つづら折りの道をレンタカーでひた走る。それも軽自動車である(笑)
実は、京都においては軽自動車がきわめて便利であることが今回よくわかった。

「本当にこの道でいいのか?」
と思われる細く暗い道を市内から1時間ほど走ると川沿いの祭場に到着する。

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松明を手にした、村の男たちがどこからともなく登場。
雄々しく皆気合い十分である。

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河原に準備された無数の松明に火がともされていく。

気がつくと、
不安げな闇はいつしか幻想的な光景へと変貌していた。

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男たちは、この松明のなかで玉入れのように巨大な松明に向かって
火の固まりを投げ入れていく。

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この祭りを、終わりまで見ていると22時半となる。
帰りは、峠の下り道をレンタカーで楽しみながら宿には23時過ぎに到着。

翌日。
暑い日差しが古都に照りつけていた。
送り火で燃やしていただく護摩木を奉納するために、
大文字の麓の銀閣寺にある受付場所へ向かった。

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出発直前、東日本大震災によって大きな被害を受けた陸前高田市の護摩木を
「五山送り火」で燃さないことに決まったというニュースが流れた。
岩手から京都へ送られた護摩木に、
わずかな放射能物質が検出されたことがその理由という。

京都市内を移動するタクシーで、年配の運転手さんは自らこの話題にふれ、
「京都市民として、日本人として恥ずかしい」と語っていた。

自分や家族を防衛することはとても大事なことだろう。
しかし、同じ日本人が苦しんでいるときに、その人たちの気持ちを考えず
利己主義に走るような言動は、悲しくも日本の未来を憂わざるをえない。

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道で倒れている人がいても、見て見ぬ振り・・・
日本の未来が、そんな風にならぬことを心から祈る。

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「子供たちのことを見守ってください」
「今までありがとう。また会いたいです。会いたいです」
「必ず もっといい町にするぜ」
岩手から送られた護摩木には、そんな言葉が綴られていたという。

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夏祭りといえば、
きっと誰もが思い出す風景がある。

父と母に手を引かれ、
夜空に浮かぶ大輪の花火を見ながら露店が連なる道を歩く。
そんな子供のころ見た風景がノスタルジックに思い出される。

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そして、
年を重ねるとともに、そこには様々な想いが重なってゆく。
震災のあった今年は、さらに特別な意味が加わった人が多いだろう。

 

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