« 2012年2月 | トップページ | 2012年6月 »

2012.03.24

「BRZに乗って感じたもの」

「こんなにロールが少ないものか・・・!」
いつも走っている裏道の高速コーナーに、
レガシィS401とほぼ同じ速度域でBRZを飛び込ませてみる。

スロットルを開けて立ち上がっていくとき、
デジタルスピードメーターを見て驚いた。
思ったより10km/h以上高い数字がそこに表示されていたからだ。

レガシィS401よりもコーナリングスピードが早いため
コーナー出口でのスピードの乗りかたも違っているのだろう。
この車だとトレースラインも自ずと違ってくるように思われた。

BRZは、エンジン搭載位置も低いが、ドライバーの着座位置も低い。
着座位置が低いと、ふつうスピード感は上がるはずなのだが、
それを上回る安定感があるためにあまり怖く感じない。

20120323689

スバル車のメリットを謳う営業マンの常套句として、
「水平対向エンジンを搭載するスバル車は、他車に比べ
最重量物であるエンジンを低位置にマウントすることにより、
遠心力などの影響を抑え操縦安定性を増す・・・」とよく言われる。

スバル車に乗っていながら、それをまた体感できるとは恐れ入った。
ヨー慣性モーメントの抑制を車体構成の段階から煮詰めて行けば
これほどまで変わる余地があるものなのか・・・。
ちなみに、BRZは前後の重量配分を53:47としている。


ところで、試乗した日は雨だった。
これまで長く4WDスポーツを乗り継いでいると、
ウエットにFRと聞くとビビッドな挙動が思い出され
ハンドルを握る手にも少し力が入る。

ところが、BRZに乗ってみるとその気配はほとんど感じられない。
しばらく乗っているとその走りにFRであることさえ忘れてしまう。

もちろん、
VSC(スバル的にはVDC:横滑り抑制装置)を切ってアクセルを踏み込めば
テールスライドを誘発させることもできるだろう。

ただ、スバルが味付けしたBRZの走りの基本イメージは、足回りのセッティングを含め
4WDスポーツの延長線上にあるという印象を私は受けた。

20120323688

直進安定性も極めて高く、加速感はターボのそれとは質的に異なり、
スロットルを開ければスルスルと加速していく上質サルーンといった趣だ。
なるほど、BRZのホイールベースは2570mmと比較的広くなっている。

ただし、これはギアを下げずにアクセルを開けていった場合。
それではつまらないので、心の準備のため!?同乗してくれた営業さんに
「加速します」と、一声かけてからシフトダウン(笑)

高回転域まで2速、3速と引っ張ったみた。
すると静かだった車内に心地よいエンジン音が響き、力強い加速が始まる。

いわゆるBRZのヤル気スイッチが入った感じだが、
しかし、ここからの加速感はレガシィS401に及ぶものではなかった。
ターボにはターボの領域がある。熟成されたツィンターボはやはりイイ。

123
(合成写真)

BRZの車両重量1220kg、2Lの自然吸気で200ps。
レガシィS401の車両重量1520kg、2Lツインターボで293ps。
数値的には300kgの重量差を93psでカバーできるかに見えるが、
走りの質感は、数値で比較できない部分にあるのは言うまでもない。

現在、ドライバーの意思に忠実に加減速し、
手足の延長線上に操作感が伴う車は一体どれだけあるだろうか。
BRZは、その貴重な車のひとつと思えた。

この車のSTIバージョンがとても楽しみになってきた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.03.18

「次の出会いに期待するもの」

スバルとトヨタの出会いは、BRZ(86)という新たな思想を生み出した。

それは、低重心の水平対向エンジンを、フロントミッドシップにレイアウトした
FRスポーツということに他ならない。

Rimg0013



コーナリング安定性を高め、ドライバビリティを向上させるこのエンジンレイアウトは、
ピュアスポーツカーの資質ともいえる最良の手段だ。
BRZ(86)は、スバル単独、トヨタ単独では生まれえない、唯一無二の産物だろう。

以前も書いたが
環境性や経済性が重視され、さらに若者の車離れが進んで久しいこの時代に、
スポーツカーを製造するという行為はメーカーのチャレンジ精神の表れであり、
その心意気は大いに賞賛されなくてはならない。

豊田章男社長は、一昨日の会見で以下のように述べている。
「世界中に日本のモノづくりが頑張っていることを示す切り込み隊長になってくれれば良い」

今後の日本の物づくりは、
このように新たな思想の出会いから新たな価値を創造していく、
勇気とチャレンジ精神をもって、世界市場で勝負できる商品を開発して行く必要がある。
そう、iPhoneやiPadのように。

続いて、スバルとの関係について以下のようにも述べている。
「単にトヨタの言うことを聞く会社ではない。
お客様、市場、そしてまた日本のモノづくりにとっても本当に両社が戦いあった結果、
いいものを出していくので期待してほしい」

未曾有の震災から1年が経過し、円高不況からも脱出しなくてはならない今こそ、
オールジャパンとしての有機的な連携を期待したい。

トヨタとスバルは、BRZ(86)という車でその手本を示してくれている。


ところで、
スバルとトヨタによる新たな価値の創出は、実はBRZ以前にも起きていた。
トレジア(TREZIA)という車がある。
現在、スバル唯一の5ナンバーサイズのコンパクトカーだ。

トレジアはラクティスのOEMといわれるが、
ラクティス後期モデルをスバル車、すなわちトレジアにするために、
約100名の開発要員をトヨタに出向させたと聞く。

スバルは、ラクティスをトレジアとして自信を持って販売するためには、
自分たちの思想を少しでも埋め込む必要があったのだろう。

そのメーカーの思想の違いは、CMに端的に表れていたように思う。

トレジアのCMは、玉山鉄二のによる「トップガン」さながらの演出。
一方、ラクティスのCMは、家族で使えるパッケージングをアピール。

走りを売りにするスバルに対して、パッケージングをセールスするトヨタ。
ここにメーカーのフィロソフィーの違いが浮き彫りになっている。

出会いは、有機化合物のように新たな価値を様々なカタチで創出していく。
それは、メーカーとユーザーというレベルでも同じことがいえる。

今回、
車検を半年後に控えたステラRSを、このトレジアに乗り越えることにした。

Rimg0026Rimg0030

カラーはステラと同じく、パールホワイト。
サイズ1.5Lモデルだ。


出会いは偶然のようであって、
実は自らが招きよせた「必然」であるのかもしれない・・・。
大事なことは、そこから何を生み出すかということ。

それは人と人の出会いにおいても同様だろう。

次回は、
このトレジアのグレード・仕様と初期モデファイ等について書きたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.03.05

「スバル軽生産終了と出会いと別れ」

3月に入り、出会いと別れの季節がやってきた。

人間は、出会いと別れから学ぶ生き物といわれる。
人間を人間たらしめているのは、出会いや別れから得た経験や知識であって、
それを継承することで文明というものを築き上げてきた。

ガイア的観点でみれば、人間は出会いと別れの副産物とも見える。
出会いや別れに何らかの意味や価値を見出すことができるのは人間だけだろう。

しかし、
現代社会では、心の安寧を保とうとするあまり、出会いや別れを直視せず
できるだけ避けようとする傾向が強いように思われる。

実際は、その出会いや別れを直視することによってしか、
本質を感じ得ることが出きないものが沢山あるのだが・・・。

卒業然り、別離然り。すなわち魂の出会いと別れなのだろう。


ところで、
先日、2月29日をもってスバルはサンバーの生産を最後に、
軽自動車生産ラインの幕をおろした。

Sambar_2

かつてスバル360によって、人々のライフスタイルを変えたその伝統は、
その後も4輪独立懸架、4気筒という軽自動車の枠を超えて、
メーカの独自性、すなわち「こだわり」として今日まで受け継がれてきた。

私もプレオとステラで、その「こだわり」を実感してきた。

Imgp544920101024128711


確かに、水平対向エンジンこそはスバルの「こだわり」ではあるが、
軽自動車の独自性もまたスバルの「こだわり」を十分に表出していたと思う。

この「こだわり」にこそ日本の物作りの原点があるといっても過言ではない。
それが、終焉を迎えるということはとても残念なことと思う。

しかし、
ここで、スバルは過去を捨て去り、新たな船をこぎ出す決意をした。
この生産ラインでは、トヨタと共同開発したBRZと86の生産を行うという。

別れ、そして新たな出会いからスバルは何を学び、何を創造していくだろうか。
期待しながら、次の展開を心待ちにしたい。

ところで、
時を同じくして私もスバルの軽自動車ステラRSを卒業することにした。
「次の出会いに期待するもの」については、次回書くことにしたい。

201010241290

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年2月 | トップページ | 2012年6月 »